早稲田大学のスポーツ科学部の小論文入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。
早稲田大学のスポーツ学部を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。
早稲田大学スポーツ科学部は、人間科学部と同じく埼玉県の所沢キャンパスにあります。
学部が求める学生像は「スポーツ科学に強い関心を持ち、スポーツを科学的に探究していく高い学力を有する学生」です。大学を経て、「スポーツに造詣の深い社会人として社会の様々な分野でスポーツマインドを発揮し、活躍すること」を望まれています。
スポーツ科学部の入試は、センター利用入試3方式の各方式および一般入試は併願が可能です。一般入試は「小論文+外国語+国語か数学いずれか選択」の3科目受験です。
他学部に比べると偏差値もやや低く比較的入りやすいと言われる学部ですが、大学内で唯一入試科目に小論文があります。テーマも特異でスポーツの社会問題・時事問題に絞られますので、独自の対策が必要です。
これまでの早稲田大学スポーツ科学部の小論文の出題の特色をまとめました。
小論文試験の概要
早稲田大学スポーツ科学部の小論文の対策について解説します。
配点と時間
小論文:配点33点(全科目合計183点)
試験時間:90分
小論文の配点がやや低いですが、小論文が基準点に満たない場合は不合格となるほか、小論文以外の科目が基準点に満たない場合は小論文が採点されず不合格となります。小論文の対策を十分に行っておくことが重要です。
自己推薦入試でも小論文が課されるようになり、スポーツ科学部としても小論文を重視していることがうかがえます。
参考記事:新しいじゃんけんを考案!?早稲田大学スポーツ科学部小論文の過去問解答例と解説
出題傾向
スポーツ科学部の小論文の問題形式は近年の動向では下記のような特徴があります。
文字数は601字以上1000字以内と幅がひろくなりました。以前は801字以上という設定もありました。
出題のテーマはスポーツ
出題のテーマは、スポーツ問題が中心です。単にスポーツの娯楽的知識ではなく、スポーツの社会的な発展、発展に伴う功罪、スポーツの未来とそれに関わる人々の幸福について論じる必要があります。
そのためには、今社会で取り上げられているスポーツの諸問題を広く関心をもち、自分なりの立場や意見をある程度もっておく必要があるでしょう。
形式は意表を突くものが多くなった
課題文などの資料から出題される形式は近年はなくなり、短い指示で出題される形式になりました。2020年度の入試もグラフが出されていますが、実質的には読み取りではないので、同じ傾向と言ってよいです。
2018年のじゃんけんの新しいゲームを考えるという出題から、この傾向が続いています。
ただいずれの問題も、如何に日常生活の中でスポーツの社会問題に関心をもってアンテナを張っているかが問われます。身近な問題だけではなく、国内外におけるスポーツの立場やスポーツ振興の如何などを客観的視点で論じることが求められます。
過去問
過去の出題テーマと出典
スポーツ科学部の過去の大問ごとの出題テーマと出典です。2014年度以降は過去問のPDFが大学ウェブサイトに掲載されており、そのリンクも載せておきます。
2020年 過去問
「7:3の円グラフから・・・」
問題用紙PDF
2020年 過去問
「「科学とは疑うことである」という書き出しで・・・」
問題用紙PDF
2019年 過去問
「「かくれんぼう」は大人になると遊ばなくなる。なぜか・・・」
問題用紙PDF
2018年 過去問
「じゃんけんの新ゲームを考案する」
2017年 過去問
「スポーツにおける男女平等」
2016年 過去問
「運動部の活動の課題」
問題用紙PDF
2015年 過去問
「スポーツの社会的意義」
問題用紙PDF
2014年 過去問
「スポーツ振興の課題」
問題用紙PDF
2013年 過去問
「人類社会におけるスポーツがもつ意味」
2012年 過去問
「パラリピアンの目線を踏まえた地域環境」
小論文試験の対策
直前対策
ではスポーツ科学部の小論文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。
1、スポーツにおける時事問題を整理する
スポーツ科学部は単に「スポーツが好き」「スポーツに興味がある」程度の知識では太刀打ちできません。大学側が求める人材像を考慮し、スポーツにおける時事問題や社会問題はインターネットなどを駆使して整理しておきましょう。
本年はオリンピックイヤーであり、次回のオリンピックも東京であるということで、この辺りのニュースはまとめておきましょう。
・リオデジャネイロオリンピックの光と影
・東京五輪がもたらす経済効果
・オリンピックでのインフラ整備
・オリンピックでの地域活性化
・パラリンピックを盛り上げるために
また、全般的な社会問題も確認しておきましょう。
・スポーツナショナリズム
・企業スポーツ
・スポーツ教育
・子供のスポーツ離れ
・スポーツ指導者指導
2、小論文に適した文章の書き方を練習しておく
いろいろな方法論ありますが、実際のところ、小論文の定義は、「質問に対して、決められた方式で記述する。」ということでしかありません。文章の組み立てを考えたり、練習したり、よもやその理論を考えることは無意味です。
・「である体」「常体」の文章を書く練習
・「私は」「と思う」「と考える」を使わずに文章を書く練習
・どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習
ほぼこれだけでOKです。「です」「ます」の助動詞を省いて、書き言葉に適した言い回しに慣れましょう。「私は」「と思う」「と考える」を使わないで文章を書き、客観的な分析や主張を行えるように準備しておきましょう。試験の時に、必ずしも使ってはいけないわけではありません。
「どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習」はできれば、過去問を解くか、解答例を一度読んで自分で再構成してみるのがよいです。
3、採点者を意識した解答の方法を心がけておく
小論文といえど、ポイントに応じて点数を付けるテストです。「論じ方にオリジナリティがあるか」よりも「配点のポイントを一つ一つ明確に押さえているか」をアピールできるようにしましょう。
2016年度では、設問に細かな指導がありました。「肯定側」の立場で客観的に検証することを命じています。また「否定側や第三者をいかに説得できるかという観点から述べること」と丁寧な注釈までありました。
まず、初めの一文で肯定側の立場を明らかにします。その上で、否定側や第三者の考えうる意見を提示し、そこに対し説得をする。そういったプロセスを段階的に、分かりやすく行いましょう。
4、大学サイトをチェック
大学が求める学生像をサイトでチェックしておきましょう。
「受験をお考えの方へ」
スポーツは今、私たちの社会や日々の生活に欠かせない重要な存在になりました。プレイするだけでなく観戦を含めたスポーツ愛好者の増大、体力向上・健康増進への社会的ニーズ、国際的な競技力の向上など、さまざまな側面からスポーツ科学に寄せられる社会的期待があります。また、ビジネスとしてみたスポーツの市場規模拡大も見逃せません。身体表現や遊びまで含めたスポーツを、多彩な科学的手法によって究めていくことで、スポーツマインドと幅広い科学的素養を併せもった人材を育てたい。早稲田大学スポーツ科学部の使命、それは新しい時代を力強く生き抜いていく、新たなワセダマン・ワセダウーマンを育成することにあるのです。
出典:https://www.waseda.jp/fsps/sps/applicants/why/
また、大学のサイトやその他のサイトから、研究分野で特に力を入れていることや教授などの関係者が関わっている最新の話題などをチェックしておきましょう。
残り短い期間ですが、小論文の入試で合格する人はこの時期になっても特に対策など何もしていない人が多いのです。しかし、対策はこの記事を読むだけでもすでに半分は解決していると言えるかもしれません。
高校2年生以下からの対策
スポーツに関する社会問題にはアンテナを張っておくようにしましょう。インターネットでもスポーツ関連のニュースはチェックできます。NHKの特集番組は民放のそれに比べて簡潔で情報量が豊富ですので、ぜひチェックしておきましょう。
小論塾での対策は
早稲田大学スポーツ科学部の過去問や練習問題の問題演習を中心に、弱点を見つけて、そのポイントを重点的に指導します。また、練習問題は近年のスポーツや教育に関するトピックスを中心に的確な予想テーマの問題を使用します。
記述問題の添削を通じて時間内に書きあげ、内容・形式ともに正解の答案を作成できるように指導します。
おすすめのコース
早稲田大学スポーツ科学部の小論文の直前対策は、通塾コースでは4回120分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。小論文の対策で合格を勝ち取りましょう。
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