中学受験

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰの直前対策と過去問の解答例文と解説

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東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰの「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰはこの学校の独自問題です。できることをきちんと対策しましょう。東京都立両国高等学校付属中学校を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。


東京都立両国高等学校付属中学校は、東京都墨田区にあり、JR総武線、JR横須賀線、東京メトロ半蔵門線の錦糸町駅から徒歩5分の場所にあります。29年度適性検査では、適正検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに分かれ、Ⅱは共通問題、Ⅰ、Ⅲは独自問題となっています。これまでのの出題の特色をまとめました。

入学者受け入れの方針

理念・目的・求める生徒像

ウェブサイト上に以下のようにかかれています。

本校は、時代や社会の変化を乗り越え、しなやかで、たくましく生きる生徒の育成、グローバルな視点を持ち、将来、国際社会で活躍できるリーダーの育成を目指します。

そうした環境の中で、みなさんには、自分の夢や目標に向かっての努力を続け、日本の将来や世界の未来などを考えられる、人間性ゆたかな人になってもらいたいと考えております。

(出典:学校長挨拶より)

適性検査Ⅰの問題からも思いますが、普段から本を読んでいるか、道徳的な問題や社会的な問題に対し関心があるか、さらに如何なる考えをもてるかが問われている様に思います。つまり、正確で迅速な文章理解力に合わせて想像力、発信力を時間内に如何に体現できるかを問われています。

適正検査の概要

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査(小論文)の対策について解説します。

配点と時間

配点:300点中100点

時間:45分

(1) 報告書の取り扱い及び報告書の満点は別表に定めるとおりとする。
(2) 適性検査はそれぞれ100点満点とする。
(3) 総合成績の算出方法は以下のとおりとする。 適性検査ⅠとⅢの得点をそれぞれ3倍、適性検査Ⅱの得点を2倍に換算する。 報告書を別表のように800点満点として4分の1の200点に換算する。総 合成績を合計1000点満点とする。
(出典:平成29年度東京都立両国高等学校附属中学校生徒募集要項)
となり、適性検査Ⅰの配点は300点中100点満点となりますが、実質的には適性検査の中での配点率は3/8となり、37.5%となります。Ⅱの共通問題よりも配点が高いということが分かります。

出題方針

2017年度適性検査では、適正検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに分かれ、Ⅱは共通問題、Ⅰ、Ⅲは独自問題を出題すると発信されています。2016年度と適性検査Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの概要はほぼ変わらないのではと考えられます。

出題傾向

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰの問題形式は近年は下記のような特徴があります。

2つの文章を読み、答える

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査では例年2つの文章を読み解答します。2014年~2016年度は問題は全部で5問ありました。問題1~問題4までは一般的な読解力を問われる設問が続きます。最後の問題5で350~400文字の作文を書きます。制限時間の45分に対して文章量は多く、如何に問題1~4までを正確に手早く終わらせ、問題5に時間を残せるかが勝負となります。

過去問

過去の出題テーマと出典

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰの過去の出題テーマです。

2016年 過去問

「ものの見方について」

 2015年 過去問

「幸福について」

2014年 過去問

「よりよい人間関係の築き方について」

2013年 過去問

「リーダーのあるべき姿について」

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰの過去問と解答例

東京都立両国高等学校付属中学校・適正検査Ⅰ(2016年)

問題文

「文章1」と「文章2」はどちらも「ものの見方」について書かれています。これらの文章を読んで、あなたは今後どのような「ものの見方」をしていきたいですか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上四百字以内で書きなさい。

・条件

1、二つの文章に書かれている「ものの見方」について、それぞれ筆者の考えをまとめること。

2、あなたがこれまでやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。

過去問はこちら

解答例

文章1において「勉強していることを、日常見聞きする現実へ生かすことが重要」と言われている。珍しいものばかりを勉強するだけでなく、身近なものに改めて目を向けることの大切さをうったえている。一方、文章2においては、「富士山は毎日そばで見ると、景色が変化し、あらゆる美しさにあふれていることに気づく」と言われている。ある人は富士山は見ると飽きてしまうと言うが、それは富士山の美の変化を観察し気づいていないからと言える。
これまで私は小学校に6年間行って勉強してきた。それは私にとっては当たり前のことで、時々めんどうに思うこともあった。しかし、社会の授業で世界には生活がまずしく、勉強が当たり前でない国があることを知った。同じアジアにもバングラディッシュやカンボジアでは字を読んだり書いたりできない子もいる。勉強のありがたさを忘れず、色んなことに興味をもって勉強をして、将来人の役に立つ仕事をしたい。

(397文字)

適性検査の対策

直前対策

両国高等学校付属中学校の適性検査の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。

1、速読の練習をする

文章量を見ても分かる通り、正確に早く文章を読み取る力が必要です。大人が最初から最後まで読んでも5分はかかる量と言えます。なんども読み返している時間はありません。文章をいち早く読み、その要旨(筆者が一番言いたいこと)を正確に言えるかどうかの練習をしましょう。

2、国語の問題を解く

文章を読んだうえで、読解力を試す国語の問題を解くことが必要です。記号式では勘で当ててしまうこともあるため、特に正確な読解力を問われる記述式の問題に多く挑戦することが大切になるでしょう。

3、作文の練習をする

まずは文章を書く事自体に慣れることが必要です。最初は短い文章でもいいので、何かを読んだらそれに対してテーマを決め書く練習をしてみましょう。書くうちに何を書いているか分からなくなる場合は、自分の意見をいかに組み立てるか図式化する練習も有効になるでしょう。

小学校5年生以下からの対策

まずは様々な本を読むことです。物語だけでなく、評論文も読むと良いでしょう。分からない言葉や漢字は辞書で調べる習慣をつけ、長い文章を読むことに慣れるようにしましょう。