慶応義塾大学法学部の論述力(小論文)入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。慶応義塾大学法学部を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。
法学部は、1・2年次は主として日吉キャンパスで、3・4年次は三田キャンパスです。学部の一般入試は「外国語+論述力(小論文)+日本史か世界史の選択」の3科目受験です。
これまでの法学部の論述力の出題の特色をまとめました。
小論文試験の概要
慶応義塾大学法学部の論述力の対策について解説します。
配点と時間
小論文:100点(全科目400点)
試験時間:90分
配点は比較的高めです。
出題傾向
慶応義塾大学法学部の論述力(小論文)の問題形式は近年の動向では下記のような特徴があります。
出題のテーマは「政治学」「法学」
法学部の設問のテーマは「政治学」と「法学」に絞られるといってよく、それらの知識が十分に無いと、資料文すらも読み進められないようになっています。たとえ資料文が読み進められたとしても、2015年のように表向きのテーマ「生物多様性」から、筆者が匂わせている主張にたどり着けないと、満足な論述にたどり着かない場合があります。
ボリュームもあり、高い読解力・論述力が求められる
ボリュームも、他学部に比べて、1000字としっかりあります。難解で複雑な資料文を読み取り、短時間で要約と論述が求められます。2016年では1000字の中で要約と論述をまとめるという問題でした。
過去問
過去の出題テーマと出典
慶応義塾大学法学部の論述力(小論文)の過去の出題テーマと出典です。
2016年 過去問
2015年 過去問
「人間社会における関係価値」
阿部健一「生物多様性という関係価値利用と保全と地域社会」『科学』2010年 10月号所収。
2014年 過去問
「家族と国民国家」
岡野八代「規範理論における主題としての『家族』」、立命館法学(333・334号(2010年5・6号))
2013年 過去問
2012年 過去問
小論文試験の対策
直前対策
では慶応義塾大学法学部の論述力(小論文)文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。
1、政治学系法学系を中心に広く深い知識が必要
特に法学部の論述力では、知識は付け焼刃ではかないません。まずは関連する論説文を広く読んでいること、基礎知識と今社会で問われている政治問題・社会問題を知っておくことが必要になってきます。他大の国語の評論文の問題で分からないワードはチェックし、新聞を読み、世界や日本で今何が問題になっているかの見識を深めていきましょう。
2、小論文に適した文章の書き方を練習しておく
いろいろな方法論ありますが、実際のところ、小論文の定義は、「質問に対して、決められた方式で記述する。」ということでしかありません。文章の組み立てを考えたり、練習したり、よもやその理論を考えることは無意味です。
・「である体」「常体」の文章を書く練習
・「私は」「と思う」「と考える」を使わずに文章を書く練習
・どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習
ほぼこれだけでOKです。「です」「ます」の助動詞を省いて、書き言葉に適した言い回しに慣れましょう。「私は」「と思う」「と考える」を使わないで文章を書き、客観的な分析や主張を行えるように準備しておきましょう。試験の時に、必ずしも使ってはいけないわけではありません。
「どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習」はできれば、過去問を解くか、解答例を一度読んで自分で再構成してみるのがよいです。
3、採点者を意識した解答の方法を心がけておく
小論文といえど、ポイントに応じて点数を付けるテストです。「論じ方にオリジナリティがあるか」よりも「配点のポイントを一つ一つ明確に押さえているか」をアピールできるようにしましょう。
要約部分では、主旨とキーワードが必ず入るように心がけます。具体例や主旨から遠い部分は除き、中心部を掴んで書くトレーニングが必要です。
論述部分では、「何を論じるか」ではなく、「如何に論じるか」が鍵となります。いかに自分の意見・立場を明確にし、客観的に裏付けをして説明していくことが大切です。
4、大学サイトをチェック
学部の情報もウェブサイトもありますので、ぜひチェックしておきましょう。どんな人材が求められ、どのような知識と能力が問われるかが見えてきます。
以下は法学部の「課程修了にあたって修得しておくべき学習成果」です。
本塾建学の精神に則り、国際的な視野に立ちつつ新しい社会を創造し未来を先導することができるよう、法学および政治学の専門分野のみならず幅広い教養を修得することが求められます。
法律学科においては、社会現象を法的な視点から捉え,柔軟かつ的確な判断のできる法的思考力の修得が求められます。政治学科においては、現代社会および歴史上の諸問題を政治学的な視点から的確に分析し、創造的かつ総合的に判断する能力の修得が求められます。出典:http://www.law.keio.ac.jp/about/
また、大学のサイトやその他のサイトから、研究分野で特に力を入れていることや教授などの関係者が関わっている最新の話題などをチェックしておきましょう。
残り短い期間ですが、小論文の入試で合格する人はこの時期になっても特に対策など何もしていない人が多いのです。しかし、対策はこの記事を読むだけでもすでに半分は解決していると言えるかもしれません。
高校2年生以下からの対策
先述した通り、政治学・法学系の論説文に目を通す機会を増やしましょう。模試に出る評論文や国語の問題集に載っているものから始めましょう。小論文の勉強だけでなく、国語の勉強にもなります。英・数などのボリュームのある教科の息抜きに読むのも良いでしょう。余裕があれば、同じ著者や似たテーマの文献も読むのもいいでしょう。
小論塾での対策は
慶応義塾大学法学部の過去問や練習問題の問題演習を中心に、弱点を見つけて、そのポイントを重点的に指導します。また、練習問題は近年の社会や法律に関するトピックスを中心に的確な予想テーマの問題を使用します。
高校の教科書の内容の中でも、特に必要な政治経済・現代社会の知識や考え方について重点を絞って解説し、問題演習を通じて定着させます。
記述問題の添削を通じて時間内に書きあげ、内容・形式ともに正解の答案を作成できるように指導します。
おすすめのコース
慶応義塾大学法学部の小論文(学科試問)の直前対策は、通塾コースでは4回120分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。逆転合格を目指しましょう。
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