上智大学文学部哲学科の学科試問(小論文)入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。上智大学文学部哲学科を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。
哲学科は、1~4年次まで四谷キャンパスです。学部の一般入試は「外国語+国語+日本史か世界史か数学から1科目の選択+小論文」の4科目です。
前者の三科目が1次試験となり、一定得点に達した受験生のみ「学科試問(小論文)」の採点をして、1次選考の得点に加算して最終選考を行うという形になっています。
これまでの文学部哲学科の学科試問(小論文)の出題の特色をまとめました。
小論文試験の概要
上智大学文学部哲学科の学科試問(小論文)の対策について解説します。
配点と時間
小論文:60点(全科目410点)
試験時間:60分
配点はやや低めです。
出題方針
「哲学への関心および思考力・表現力を問う試問」
出題傾向
上智大学文学部哲学科の学科試問(小論文)の問題形式は近年の動向では下記のような特徴があります。
出題のテーマは「哲学」
当たり前ですが、ストレートに「哲学」のテーマから出題されます。倫理の教科書レベルの知識が無いと太刀打ちできず、ふるい落とされます。上智という名前に憧れてどこでもいいから、と甘く見ているとちょっと厳しいです。
形式は近年変わらない
毎年大問が2つあり、1つは資料文を読んで問いに答える問題。もう一つは与えられたキーワードやテーマを使って、自分の考えを論述する問題です。問2に関しては普段から自分で哲学について興味を持つことはもちろん、あらゆる哲学のテーマに対して自分の意見を論じられるくらいのレベルが求められます。
2014年度の大問2は…
5つのテーマから自分が最も関心を持つものを1つ選択し考えを述べる形でした。
(1)将来への道徳的責任
(2)文化上の相違を超えた普遍的正義
(3)心(精神)と身体
(4)「自然美」と「芸術美」
(5)哲学と科学
論述(700 〜800字)
2015年度、2016年度もテーマやキーワードを自分で選択し論述できるようになっています。
過去問
過去の出題テーマと出典
上智大学文学部哲学科の学科試問(小論文)の過去の出題テーマ(主に大問1)と出典です。
2018年 過去問
2017年 過去問
2016年 過去問
2015年 過去問
2014年 過去問
小論文試験の対策
直前対策
では上智大学文学部哲学科の小論文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。
1、倫理教科書レベルの基礎知識以上のものを
特に文学部哲学科の小論文では、教科書の「倫理」レベルはすでに分かったものとして展開されます。哲学という学問において需要が少なくなってきている昨今、大学側は本気で哲学をやりたい学生を集めるべく、この小論文を学科諮問として行っているのでしょう。教科書レベルでは足らず、他の文献にも目を通すくらいの興味がある学生が欲しいのです。
2、小論文に適した文章の書き方を練習しておく
いろいろな方法論ありますが、実際のところ、小論文の定義は、「質問に対して、決められた方式で記述する。」ということでしかありません。文章の組み立てを考えたり、練習したり、よもやその理論を考えることは無意味です。
・「である体」「常体」の文章を書く練習
・「私は」「と思う」「と考える」を使わずに文章を書く練習
・どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習
ほぼこれだけでOKです。「です」「ます」の助動詞を省いて、書き言葉に適した言い回しに慣れましょう。「私は」「と思う」「と考える」を使わないで文章を書き、客観的な分析や主張を行えるように準備しておきましょう。試験の時に、必ずしも使ってはいけないわけではありません。
「どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習」はできれば、過去問を解くか、解答例を一度読んで自分で再構成してみるのがよいです。
3、採点者を意識した解答の方法を心がけておく
小論文といえど、ポイントに応じて点数を付けるテストです。「論じ方にオリジナリティがあるか」よりも「配点のポイントを一つ一つ明確に押さえているか」をアピールできるようにしましょう。
要約部分では、主旨とキーワードが必ず入るように心がけます。具体例や主旨から遠い部分は除き、中心部を掴んで書くトレーニングが必要です。
論述部分では、「何を論じるか」ではなく、「如何に論じるか」が鍵となります。いかに自分の意見・立場を明確にし、客観的に裏付けをして説明していくことが大切です。
4、大学サイトをチェック
学部の情報もウェブサイトもありますので、ぜひチェックしておきましょう。どんな人材が求められ、どのような知識と能力が問われるかが見えてきます。
以下は上智大学文学部哲学科の「アドミッションポリシー」です。
【哲学科】
本学科では、以下のような学生を求めています。
1. 社会の流動的な動きに注目し、その事情説明や表面的な知識に満足することよりも、様々な事柄の本質的な理解に意義を見いだす学生、答えを発見することよりも問題意識を深めることに大きな意義を見いだす学生、自らの理性の力を磨き、その思索力を深めたいと思う学生。
2. 異なる文化をもつ他者に対し、公共的な理性の使用に基づいて、適切な言葉や文章の選択を訓練し、また相互理解を目指すコミュニケーション能力を研ぎ澄まし、哲学研究に寄与する高度な学術的な表現などを獲得したいと思う学生。
3. 他者のために他者と共に生きることを、本学の建学理念であるキリスト教的ヒューマニズムに基づきつつ、哲学(知恵への愛)において実現させようと試みる、意志の強い学生。哲学研究の動機を重視するため、入試は、カトリック系高校の推薦入試、一定の成績を前提にした指定校および公募の推薦入試、多様な個性を求めるための海外就学経験者および編入学など、一般入試に加えた多様な入学者選抜を行っています。
出典:http://www.sophia.ac.jp/jpn/program/UG_policy/admission_policy_UG/admission_policy_Humanities
また、大学のサイトやその他のサイトから、研究分野で特に力を入れていることや教授などの関係者が関わっている最新の話題などをチェックしておきましょう。
残り短い期間ですが、小論文の入試で合格する人はこの時期になっても特に対策など何もしていない人が多いのです。しかし、対策はこの記事を読むだけでもすでに半分は解決していると言えるかもしれません。
高校2年生以下からの対策
先述した通り、まずは倫理の教科書の内容を押さえる事です。そこから興味をもった内容に関しては、関連書籍を見つけ、積極的に読んでみましょう。読みながら、自分ならどう考えるか、どんな意見をもつかをイメージするのもいいかもしれません。
小論塾での対策は
上智大学文学部哲学科の過去問や練習問題の問題演習を中心に、弱点を見つけて、そのポイントを重点的に指導します。また、練習問題は近年の哲学トピックスを中心に的確な予想テーマの問題を使用します。
高校の教科書の内容の中でも、特に必要な倫理・現代社会の知識や考え方について重点を絞って解説し、問題演習を通じて定着させます。
記述問題の添削を通じて時間内に書きあげ、内容・形式ともに正解の答案を作成できるように指導します。
おすすめのコース
上智大学文学部哲学科の小論文(学科試問)の直前対策は、通塾コースでは4回120分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。逆転合格を目指しましょう。
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