慶応義塾大学文学部の小論文入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。慶応義塾大学文学部を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。
慶応義塾大学文学部は1年生の時は日吉キャンパス、2年生からは三田キャンパスに通います。
一般入試は「外国語+地理歴史+小論文」の3科目受験です。
これまでの文学部の小論文の出題の特色をまとめました。
小論文試験の概要
慶応義塾大学文学部の小論文の対策について解説します。
配点と時間
小論文:配点100点(全科目合計350点)
試験時間:90分
主要な大学の中でも、小論文の配点が高めなのが特徴です。
出題傾向
文学部の小論文の問題形式は近年の動向では下記のような特徴があります。
出題のテーマは「文化」「言語」
文学部の鉄板のテーマは「文化」「言語」です。資料文の展開としては、日常ごく自然で当たり前な事柄を、改めてその構造を深く分析し本質を問い直すというものが多いでしょう。それに対して、その資料の見解を捉え直し、自らの意見を客観的に述べることが求められます。
近年形式は変わらず
2016年度は前年と変わらない形式で来ています。比較的長い資料文を読み、設問1は要約問題(300字以上360字以内)設問2の論述問題(320字以上400字以内)です。時間は90分ですので、如何に素早く正確に資料の内容を掴み、設問に進めるかが鍵となってきます。
過去問
過去の出題テーマと出典
文学部の過去の大問ごとの出題テーマと出典です。
2016年 過去問
2015年 過去問
「科学的知識の誤解や歪曲が生まれる理由」
2014年 過去問
「自己と他者の異質性とその中の才能」
2013年 過去問
「携帯電話が社会に及ぼす影響」
2012年 過去問
「本の未来像」
小論文試験の対策
直前対策
では慶應大学文学部の小論文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。
1、「文化」「言語」などをテーマとした人文・社会科学系の評論に慣れる
例年さほどテーマの変化はなく、文学部が出す王道のテーマの対策をしましょう。
過去問の出典は、学者だけでなくジャーナリスト・小説家・評論家など幅広いです。
直前で関連書籍に目を通すのは時間がかかります。ですので、他大学(特に文学部)の国語の演習問題に使われていた資料文を読み直してみましょう。できれば、資料文を使って要約と論述の練習をしてみてもいいでしょう。
特に「文化」「言語(言葉)」がキーワードにくる資料文は、要チェックです。
2、小論文に適した文章の書き方を練習しておく
いろいろな方法論ありますが、実際のところ、小論文の定義は、「質問に対して、決められた方式で記述する。」ということでしかありません。文章の組み立てを考えたり、練習したり、よもやその理論を考えることは無意味です。
・「である体」「常体」の文章を書く練習
・「私は」「と思う」「と考える」を使わずに文章を書く練習
・どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習
ほぼこれだけでOKです。「です」「ます」の助動詞を省いて、書き言葉に適した言い回しに慣れましょう。「私は」「と思う」「と考える」を使わないで文章を書き、客観的な分析や主張を行えるように準備しておきましょう。試験の時に、必ずしも使ってはいけないわけではありません。
「どのくらいの字数をどのくらいの時間で書けるかの練習」はできれば、過去問を解くか、解答例を一度読んで自分で再構成してみるのがよいです。
3、採点者を意識した解答の方法を心がけておく
小論文といえど、ポイントに応じて点数を付けるテストです。「論じ方にオリジナリティがあるか」よりも「配点のポイントを一つ一つ明確に押さえているか」をアピールできるようにしましょう。
要約部分では、主旨とキーワードが必ず入るように心がけます。具体例や主旨から遠い部分は除き、中心部を掴んで書くトレーニングが必要です。
論述部分では、「何を論じるか」ではなく、「如何に論じるか」が鍵となります。いかに自分の意見・立場を明確にし、客観的に裏付けをして説明していくことが大切です。
4、大学サイトをチェック
学部の情報もウェブサイトもありますので、ぜひチェックしておきましょう。どんな人材が求められ、どのような知識と能力が問われるかが見えてきます。
文化や社会のあり方、人間の本質を追究
現代社会はめまぐるしく変化、それに対応して大学の在り方も問い直されています。しかし、そのような状況であればこそ、”人間”と”人間が生み出した文化”の本質に目を向ける文学部の学問の重要性はより高まっています。協調性を持ちつつも、周囲の状況に振り回されない落ち着いた視座を獲得することを文学部の教育は目指しています。
出典:http://www.admissions.keio.ac.jp/fac/flet.html
また、慶應大学のサイトやその他のサイトから、研究分野で特に力を入れていることや教授などの関係者が関わっている最新の話題などをチェックしておきましょう。
残り短い期間ですが、小論文の入試で合格する人はこの時期になっても特に対策など何もしていない人が多いのです。しかし、対策はこの記事を読むだけでもすでに半分は解決していると言えるかもしれません。
高校2年生以下からの対策
先述した通り、人文・社会科学系の評論文に目を通す機会を増やしましょう。模試に出る評論文や国語の問題集に載っているものから始めましょう。小論文の勉強だけでなく、国語の勉強にもなります。英・数などのボリュームのある教科の息抜きに読むのも良いでしょう。余裕があれば、同じ著者や似たテーマの文献も読むのもいいでしょう。
おすすめのコース
慶應大学文学部の小論文の直前対策は、通塾コースでは4回160分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。逆転合格を目指しましょう。
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