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愛知医科大学医学部・小論文の直前対策と過去問の解答例文と解説

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愛知医科大学医学部の小論文入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。愛知医科大学医学部の小論文は傾向が形式はほぼ一定していますが、指示されるテーマについては幅があります。できることをきちんと対策しましょう。愛知医科大学医学部を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。

愛知医科大学医学部は、愛知県長久手市にキャンパスがあります。入試方式は、推薦、バカロレア、センター利用、地域枠、一般と多様です。一般の入試区分の試験は、一次試験は長久手市のキャンパスのほか、東京(サンシャインシティ文化会館)、大阪(マイドームおおさか)、福岡(福岡ファッションビル)で行われます。小論文が課される二次試験は長久手市のキャンパスで行われます。

広く自然豊かなキャンパスが魅力的です。

小論文は2次試験で出題され、面接(個人面接)とそれぞれ5段階で評価されます。

これまでの愛知医科大学医学部の小論文の出題の特色をまとめました。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

理念・目的等

愛知医科大学医学部は,豊かな人間性を備え,常に医学の進歩に対応して高度の知識・技術を体得できる医師を養成することを目標としています。あわせて,地域医療に奉仕し,医学・医療における国際貢献にも参画できる医師の育成に努めています。

求める学生像

  • 医学への強い志向と学習意欲を持つ人
  • 医学を学ぶために必要な基礎学力と問題解決能力を備えた人
  • 人間性と教養が豊かで,倫理的価値判断に優れた人
  • 協調性を持ちコミュニケーション能力に富んだ人
  • 誠実で常に努力を怠らない人

(出典:愛知医科大学)

小論文試験の概要

愛知医科大学医学部の小論文の対策について解説します。

配点と時間

論文:二次試験で「小論文」「面接」を5段階評価し判定。
試験時間:60分

二次試験は2日の試験日の設定があり、いずれかの試験日を選択。

出題方針

特に明記されていません。

出題傾向

愛知医科大学医学部の小論文の問題形式は近年は下記のような特徴があります。

短い文や絵による質問

愛知医科大学医学部の小論文では例年短い文や絵による質問があります。知識や論理というよりも、人間性を問う内容に近いものが多いです。

合計600字

短い質問に対して、合計600文字で論述します。2015年までは、600字で一つの設問が多かったのですが、2016年は100字で絵について説明し、500字で論述することが求められました。論述は客観的な立場での議論ではなく、「医師を目指す立場から」などの主観的な表現を求められていると考えてよいでしょう。「私は」「思う」などの表現を使ってもよいと考えて、志望理由書などの表現を思い出して解答しましょう。

テーマには幅がある

愛知医科大学医学部の小論文では設問の内容としては、幅があるのが特徴です。人間性に関するものが多いですが、臨機応変な対応も必要です。医学部の小論文であると意識して、書く内容が見つからない時は医療に関連したテーマにつなげましょう。

過去問

過去の出題テーマと出典

愛知医科大学医学部の過去の出題テーマです。

2016年 過去問

1日目;「人を愛するとはどういうことか」

2日目:「戦争と平和」

2015年 過去問

「動物園の動物は幸せか」

「別れの手紙を書く」

愛知医科大学医学部の過去問と解答例

愛知医科大学(2015年・一般入学試験・2次試験・小論文1日目)

問題文

「動物園の動物は幸せか?」 これに類似していると考えられる論題を立て、それについてあなたの考えを600字以内で述べてください。

解答例

「老人ホームの利用者は幸せか?」と論題を立てる。老人ホームに入所するだけでは幸せとは言えない。身体や食事の介助が行われ整った環境の中で日常生活の中で起こる様々な危険から守られているだけでは十分ではなく、利用者の想いを尊重してケアすることで幸せは実現できる。

私の祖母は老人ホームに入居している。1年前に脳梗塞で倒れ、右半身に麻痺が残り、以来、特別養護老人ホームで生活している。私の家庭は核家族であり、両親の仕事の都合上、祖母と同居するのは厳しかった。私の祖母も、私たち家族に迷惑をかけられないと言って入居を希望していた。祖母の本心は入居したくなかったように思う。しかし、入居してからは介護職員や看護師の方々と関わったり、入居者同士で仲良くなったりして、幸せそうである。だが、その一方で、特に夜になると自宅に帰りたいと希望することもあると介護職員からの話で知った。

老人ホームの利用者は一見、幸そうである。何かあれば対応してくれる職員がいつもそばにいて、安心・安全な環境が保たれている。しかし、家族から見た考え方と本人の思いは違う。利用者の本心に寄り添って、ときには施設と家族で協力して一時帰宅などの計画も組み合わせるなどして、利用者が最大限に幸せになれる環境づくりが大切だ。

医療においても充実した施設や高い技術だけでは患者の幸せは実現できない。患者の気持ちに沿ってケアを行うことが求められる。

愛知医科大学(2015年・一般入学試験・2次試験・小論文2日目)

問題文

あなたにはこれまで3年間真剣なお付き合いをしてきて、来年ぐらいに結婚を約束している彼ないし彼女がいるとします。ところが2カ月前にふとしたことで知り合った別の人が好きになってしまい、今付き合っている人と別れる決心をしました。600字以内で別れの手紙を書いてください。

解答例

突然の手紙で驚いているかと思います。私の真剣な思いを伝えるために手紙という形を取りました。3年間真剣にお付き合いをして、結婚を意識しながら一緒に過ごした日々は私の人生の思い出の宝物です。聡明なあなたなら、この手紙の内容をお察しのことと思います。

実は、2か月前に知り合った人のことが好きになってしまいました。今まで一緒に過ごしてきて、あなたのことは好きです。しかし、その好きという気持ちは恋愛としてではなく、人間として好き、友達として好きという気持ちに変わってしまいました。新しく知り合った人を恋愛感情として好きになってしまった以上、このままであなたとのお付き合いを続けることは嘘をついているような申しわけない気持ちになりました。

長い間付き合って、結婚の約束までしたというのにわがままな私で本当に申し訳ないです。あなたなら私なんかよりも、もっとふさわしい人がきっと見つかります。私なんかに縛られず、あなたにふさわしい別の素敵な人を見つけてください。

最後になりますが、3年間の間、本当にありがとうございました。私の決心は固いので別れる以外の選択肢はありません。しかし、もし、お互いが幸せになれるというのなら親しい友達という関係になりましょう。分かり合える友達としてもう一度、関係を作りましょう。あなたと過ごした日々は幸せでした。最高の思い出でした。お互いに幸せをつかみ直しましょう。さようなら。

小論文試験の対策

直前対策

愛知医科大学医学部の小論文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。

1、志望理由を明確にしておくこと

愛知医科医学部の試験では、自由度の高い設問であるため、場合によっては医学部や医師を志す理由が問われます。そうした点に対しては、医師を志す理由を明確にし、表現できるようにしましょう。

2、医療に関連するテーマの論述の練習をしておく

設問の指示内容の傾向は幅があり、自由度の高い設問も多いため、書く内容に悩んだときは、医療に関係するテーマにつなげましょう。そのためには医療に関する得意分野での論述を練習しておく必要があります。

3、医療に関する書籍を読んでおく

特に医師が書いた書籍などを中心に、心構えや倫理感をテーマにした書籍を読んでおくのがよいでしょう。基礎的な医療キーワードを押さえておきましょう。

高校2年生以下からの対策

小論文だけでなく、様々な形式の作文に慣れておくとよいでしょう。現代文の読解問題に慣れておくことも必要です。数学、地歴・公民の科目もしっかりと学習しましょう。身近な医師や医療に接することを通じて、医師を志望する理由を改めて考えてみましょう。

小論塾での対策は

愛知医科医学部の過去問や練習問題の問題演習を中心に、弱点を見つけて、そのポイントを重点的に指導します。また、練習問題は形式の類似した問題を中心に的確な予想テーマの問題を使用します。

小論文の記述とも共通する志望理由書の書き方を通じて、これまでの自分や大学進学後の進路を明確に表現できるようにします。

記述問題の添削を通じて時間内に書きあげ、内容・形式ともに正解の答案を作成できるように指導します。

おすすめのコース

愛知医科大学医学部の小論文の直前対策は、通塾コースでは4回120分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。2次試験の心構えもしておきましょう。

お気軽にお問い合わせください。