医学部

北里大学医学部・論文(小論文)の直前対策と過去問の解答例文と解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

北里大学

北里大学医学部の小論文入試問題の「傾向と直前対策ポイント」を解説しています。北里大学医学部の小論文は傾向が落ち着いています。できることをきちんと対策しましょう。北里大学医学部を目指す方には最後の追い込みに、ぜひ参考にしていただければと思います。

北里大学医学部は、相模原にキャンパスがあり、試験も相模原キャンパスで行われます。広く新しいキャンパス、大学病院が魅力的です。

小論文は2次試験で出題され、総合的な合格判定に活用されます。

これまでの慶應大学環境情報学部の小論文の出題の特色をまとめました。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

理念・目的等

現代医療において特に重要視されている「チーム医療」の観点から,人望や包容力など「リーダー」としての資質を備え,体系的な医学知識と確実な医療技術を持ち,最先端の医学に関する知識を意欲的に吸収する努力を続けることができる医師の養成を理念としています。

選抜者基本方針

患者さんの立場に立って考えることができる思いやりと生命に対する畏敬の念をもって医療にあたることができる「人間性豊かで優れた医師の養成(学部基本理念の一つ)」を目的とすることから,入学者の受け入れにおいては,学力試験の結果を尊重することはもとより,将来医師となるべき資質,能力をも含め,総合的な判定による入学者の選抜を基本方針としています。

求める学生像

  • 医師であることはもとより,一人の人間として,相手に共感できる思いやりを持つ学生
  • 患者さんの立場に立って考えることができて,社会人としてのマナーを実践できる学生。
  • 医学ならびに医療行為を通じて社会的,国際的に貢献したいと考える学生。
  • 広い視野を持ち,いろいろなことにチャレンジできる学生。
  • さまざまな刺激と影響を受けながら,自己を確立できる学生。

入学者選抜方針

【指定校推薦入学試験】  医学・医療分野に対する深い関心と、自己研鑽を積む意欲を有し、品行方正、情操豊かな学生の入学を希望します。

【一般入学試験】  英語・数学・理科の学力に加えて,人間性豊かで論理的思考能力,記述力,表現力,考察力,理解力などが優れた学生の入学を希望します。

【学士入学試験】  英語・数学・理科の学力に加えて,医学以外の専門分野を修めた幅広い視野を持つ学生の入学を希望します。

(出典:北里大学)

小論文試験の概要

北里大学医学部の小論文の対策について解説します。

配点と時間

論文:二次試験で「適性検査」「面接」「調査書」等により、総合して判定。
試験時間:90分

二次試験は2日の試験日の設定があり、いずれかの試験日を選択。

出題方針

「論理的思考能力、記述力、表現力、考察力、理解力を評価します。出題形式は、一つのテーマについての論述とします。」

出題傾向

北里大学医学部の小論文の問題形式は近年は下記のような特徴があります。

2000字程度の課題文

北里大学医学部の小論文では例年2000字程度の縦書きの課題文が出題されます。医療に関わるテーマが多いのが特徴です。

問1は見出し

問1では見出しを20文字でつけるというものです。出典のタイトルも明かされていますが、それをヒントにしながらも逆に惑わされることなく、最初に出てくるキーワードを中心に考えましょう。

問2は読解問題

問2では指示に従って文中の下線部などを200文字で説明するつけるというものです。現代文の読解問題とコツは同じです。本文の該当する個所を見つけてうまくまとめましょう。

問3は論述問題

問3では本文の趣旨を踏まえ600文字で論述するつけるというものです。客観的な立場での議論ではなく、「医師を目指す立場から」などの主観的な表現を求められます。「私は」「思う」などの表現を使ってもよいと考えて、志望理由書などの表現を思い出して解答しましょう。
また本文の主張と全く同じにせず自らの視点を加えて、逆の意見を書きくわえるなど検討しましょう。

過去問

過去の出題テーマと出典

北里大学医学部の過去の大問ごとの出題テーマと出典です。出典の書籍のリンクも掲載します。

2016年 過去問

「医療人を育てる(吉岡俊正)」

「がんを病む人、癒す人(比企 寿美子)」

2015年 過去問

「医療の選択(桐野高明)」

「近代文明はなぜ限界なのか(稲盛 和夫、梅原 猛)」

北里大学医学部の過去問と解答例

北里大学(2016年・一般入学試験・論文1日目)

問題文

問題文:北里大学(2016年・一般入学試験・論文1日目)

解答例

問一 未来の医療の在り方
問二 二一世紀になり、患者の満足が重要な治療の一つであることが認識されたことで、患者自らが治療について考え決定していくという、患者中心の医療が目指されるようになった。また、新薬やロボット手術など、科学の発展に伴ってさまざまな新技術が医療に応用され、治療の選択肢の幅が広がったほか、高度医療や終末期医療、また日常の診断でもさまざまな医療者がひとりの患者に係わるようになった。そのため、医師一人だけで治療法を決定するのではなく、それぞれの専門性から複眼的に検討し、患者の考えに則った適切な治療法を選択する柔軟さが必要になっているからである。
問三 患者の満足が重要な治療の一つであるということが認識され、患者中心の医療が目指されるようになった。医療教育の目標は、この「患者中心医療」の動向に基づいたものである。具体的な例として「コミュニケーション力」、「説明力」が挙げられるだろう。患者との患者の満足を得るためには、医師が一方的に治療を決定するのではなく、患者の希望を聞き、診断治療について詳しく説明を行い、患者がきちんと理解した上で治療が行われねばならない。そのような相互の理解を深めるためには、医師のコミュニケーション力は必要不可欠であり、患者中心医療において最も重要な能力の一つとなるだろう。また、医療はサービスであるという認識がなされるようになった最近の傾向から、患者を第一とした対応が求められるようになった。医師は患者が得心するように説明しながら診断を行い、看護師は患者が快く治療を受け受けられるように気遣い、検査技師は検査の家庭やそこで生じる不快感などを説明し、薬剤師は薬の飲み方や副作用について説明しなければならない。患者は普段とは異なる環境、心理、人間関係のなかで様々な不安を抱えて来院するため、そこで不安を和らげる気遣いを受けたり、十分な説明を受けたりすることは、医療を受ける者にとっては安心につながる。医師の説明力はそのような医療のサービス化において欠かせない能力となっているだろう。

北里大学(2016年・一般入学試験・論文2日目)

問題文

問題文:北里大学(2016年・一般入学試験・論文2日目)

解答例

問一 医を育てるのは何か
問二 医は人を相手とする仕事であり、なおかつチームワークによって成立するものだが、その自覚のありなしを問われないまま医師になることができる。また、医における倫理学は、実際に患者と接することで学んでいくものであるが、その機会や人が不十分であること。そのため、患者との人間関係を上手く築くことや、患者に対して親身な気持ちが持つことがきず、医療ミスが起きてしまう可能性が生じるということ。
問三 私が医師という職業を将来の目標として考えるようになったのは中学生のときである。私は小さい頃からほとんど重い病気を患ったことがなく、比較的あまり風邪をひかない体質であった。まして医師の家で育ったわけでもないため、医療の世界はきわめて縁のないほど遠い存在であるように感じていた。中学生のとき、まだ幼い妹が突然体調を崩し、急遽私が近所の病院へ連れて行くことになった。子どもは病院や医者に対して特に怖がるものだが、先生はいつでも鷹揚でやさしく、私もまだ診断だけでつとに安心してしまった。そのときはじめて、医者という仕事は病気だけを相手にするのではなく、ひとりの人間を相手にするのだな、と思った。人々は、自らの身体に何らかの悪しき症状が自覚されるとき、いささかの動揺や不安を感ぜずにはいられないものである。そのような混乱や恐怖のなかにあって、診断し治療に当たってくれる医療関係者の存在には、無条件に全幅の信頼を寄せてしまうものだ。それゆえ、私は医を「トポス」または「拠り所」だと考えるようになった。私のような病気慣れしていない人間にとっては、病院は「病気を診断し治療する場所」であるという以前に、精神的な面での一つの支えであり、安心をもたらす存在でもあるのである。私はなにより人を相手にする仕事に強く心を惹かれた。誰もが不安を抱えて訪れるなかで、その不安から一人でも多くを救いたいと思ったのである。

小論文試験の対策

直前対策

北里大学医学部の小論文の対策としては、どのような対策が必要でしょうか。

 

1、志望理由を明確にしておくこと

北里大学医学部の試験では、医学部や医師を志す理由が問われます。そうした点に対しては、医師を志す理由を明確にし、表現できるようにしましょう。

 

2、要約の練習をしておく

現代文の要約問題と同じように考えてよいですが、要約が実用的に使用されるシーンを考えると、筆者の立場になってまとめるよりも、第三者の立場から筆者が書いた内容や筆者の主張をまとめるのがよいでしょう。誰にとっても読みやすくなるからです。最初に見出しに近い形でテーマになっている内容が端的に示されているとよいです。

「・・・と述べている」や「・・・を批判している」「・・・と強調している」「・・・とした」などの表現を使いましょう。

見出しについても同じです。

3、医療に関する書籍を読んでおく

特に医師が書いた書籍などを中心に、心構えや倫理感をテーマにした書籍を読んでおくのがよいでしょう。基礎的な医療キーワードを押さえておきましょう。

 

高校2年生以下からの対策

こうした出典の書籍に関係する本を読んで、慣れておくとよいでしょう。現代文の読解問題に慣れておくことも必要です。数学、地歴・公民の科目もしっかりと学習しましょう。身近な医師や医療に接することを通じて、医師を志望する理由を改めて考えてみましょう。

小論塾での対策は

北里大学医学部の過去問や練習問題の問題演習を中心に、弱点を見つけて、そのポイントを重点的に指導します。また、練習問題は近年のトピックスを中心に的確な予想テーマの問題を使用します。

小論文の記述とも共通する志望理由書の書き方を通じて、これまでの自分や大学進学後の進路を明確に表現できるようにします。

記述問題の添削を通じて時間内に書きあげ、内容・形式ともに正解の答案を作成できるように指導します。

おすすめのコース

北里大学医学部の小論文の直前対策は、通塾コースでは4回120分コースをお勧めします。今からの対策が重要です。2次試験の心構えもしておきましょう。

お気軽にお問い合わせください。